【完全版】契約書に収入印紙が必要となるケースと金額・注意ポイントを徹底解説します!

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【完全版】契約書に収入印紙が必要となるケースと金額・注意ポイントを徹底解説します!

会社間で契約書を締結する際に、収入印紙が必要となるケースは少なくないですよね。 ・どんな時に収入印紙を貼る必要があるのか? ・金額はいくら必要になるのか? 本日は、そんな収入印紙に関するお悩みを一発で解決する内容をお届けします。

収入印紙とは?

収入印紙

収入印紙とは、国が発行している切手のような紙で、「課税文書」(=印紙税法で課税対象とされる文書)に添付しなければならないと法的に定められています。

収入印紙はコンビニや郵便局、法務局などで手に入れることができ、それを購入し、課税文書に貼り付け、割印を押すことで「印紙税を納付した」という意味を成します。割印がない状態だと、収入印紙を使い回すことができるので無効扱いとなってしまい、税務調査で違反として指摘される可能性があるため必ず押印するようにしましょう。

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それでは具体的に収入印紙が必要となるケースと金額・注意ポイントをみていきましょう!

課税文書とは?

収入印紙を添付しなければならない課税文書とは、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。

課税文書には1~20までの種類があり、それぞれ○号文書と呼ばれています。 各文書の詳細条件は国税庁の「印紙税額の一覧表」に定められていて、貼らなければならない収入印紙の金額も確認することができます。

※参考(印紙税額の一覧表)

印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで

この中でも特に取り扱う頻度が高いのは、1,2,5,7号の4つの課税文書です。
契約書を締結する際は、特にこの4つの文書に該当するかどうかを見極め、該当する場合には正しい金額の印紙を添付する必要があります。 (例えば「準委任契約書」というタイトルだった場合でも、契約文面が請負契約に近ければ、2号文書として収入印紙が必要となってしまう、というのは良くあるケースです。)
それぞれどのような内容の書面なのか、いくら貼らなければならないのか、チェックポイントと合わせて見ていきましょう。

第1号文書

第1号文書は、不動産売買契約書などの4種類の契約書が規定されています。
印紙税額は後述の表の通りで、契約書に記載されている金額に応じて収入印紙を貼る必要があります。


1.不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書
 不動産売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証書など =>無体財産権とは、「特許権、実用新案権、商標権、意匠権、回路配置利用権、育成者権、商号及び著作権」のことでを言います。例えば「著作権の譲渡契約」は課税文書に該当します。

2.地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書
 土地賃貸借契約書、土地賃料変更契約書など

3.消費貸借に関する契約書
 金銭借用証書、金銭消費貸借契約書など

4.運送に関する契約書(傭船契約書を含む。)
 運送契約書、貨物運送引受書など =>乗車券、乗船券、航空券及び送り状は含まれません。したがって、新幹線や飛行機などの高額なチケットであっても収入印紙を貼付する必要はありません。

契約書に記載された金額 収入印紙額
1万円未満 非課税
10万円以下 200円
10万円を超え50万円以下 400円
50万円を超え100万円以下 1千円
100万円を超え500万円以下 2千円
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
10億円を超え50億円以下 40万円
50億円を超えるもの 60万円
契約金額の記載のないもの 200円

第1号文書のチェックポイント

>2.地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書

賃貸借契約書の記載金額(=収入印紙の対象金額)がいくらなのか、正しく見極める必要があります。
土地を賃貸借する場合には、権利金や更新料など様々な金額が設定されるケースが多いのですが、この文書の記載金額とは 後日返還されることが予定されていない金額の全て を指します。保証金、敷金といった名称ではなく、返還が予定されているかどうかで判断するようにしましょう。

第2号文書

第2号文書は、請負に関する契約書のことを言います。
請負とは、 請負人が相手方に対し仕事の完成を約束し、注文者が報酬を支払う契約形態のことです。


請負に関する契約書
工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、映画俳優専属契約書、請負金額変更契約書など =>請負には、職業野球の選手、映画(演劇)の俳優(監督・演出家・プロデューサー)、プロボクサー、プロレスラー、音楽家、舞踊家、テレビジョン放送の演技者(演出家、プロデューサー)が、その者としての役務の提供を約することを内容とする契約を含みます。

契約書に記載された金額 収入印紙額
1万円未満 非課税
100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 1千円
300万円を超え500万円以下 2千円
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
10億円を超え50億円以下 40万円
50億円を超えるもの 60万円
契約金額の記載のないもの 200円

第2号文書のチェックポイント

契約文書が第2号文書(=「請負」)かどうかを見極めるには、 仕事の完成(成果物等)と報酬の支払とが対価関係にあるかどうか がポイントになります。

下記、請負契約と対比されやすいのが委任(準委任)契約となりますが、 仕事の完成物と報酬が対価関係があれば「請負」、なければ「委任(準委任)」という扱いとなります。

  • 請負 …仕事の完成が⽬的で、仕事の完成(成果物等)に対して対価が⽀払われるものです。例えば、成果物(報告書など)を委託者が検収(仕事の完成を確認)の上、これに対して報酬を⽀払うものや、仕事の完成が⽬的とされ、受託者に仕事の完成に⾄るまでの危険負担(瑕疵の修補などの瑕疵担保責任)が課せられているものなどが請負と判定されます。
  • 委任(準委任) …他⼈の専⾨的知識(経験、知識、才能など)を信頼して、⼀定の⽬的に従って何らかの事務処理を依頼するもの(事務を処理すること⾃体が⽬的で、必ずしも仕事の完成を⽬的とせず、結果よりも事務処理の内容に期待するもの)は委任と判定されます。委任契約の例としては⼯事監理、コンサルタント、システム開発、諸種の調査・研究、経営指導、診療嘱託の引受けなどがあります。

委任と準委任の違いは「法律行為(意思表示によって、権利の発生や権利の消滅などの法的効果が生じる行為)」を行うか否かです。委任契約には、「弁護士に訴訟代理を依頼する場合」などが挙げられます。

実際の取引では上記が混在した契約も多く見られますが、 印紙税法別表第⼀「課税物件表の適⽤に関する通則」の2において、「⼀の⽂書で1若しくは2以上の号に掲げる事項とその他の事項が併記⼜は混合記載されているものは、それぞれの号に掲げる⽂書に該当する」旨が規定されています。

つまり、 記載事項の⼀部であっても請負事項が併記された契約書は第2号⽂書に該当してしまうため、注意しましょう。

第5号文書

第5号文書は、合併契約書などを表します。
印紙税額は、 一律4万円 です。


合併契約書または吸収分割契約書、新設分割計画書
1.会社法又は保険業法に規定する合併契約を証する文書に限ります。
2.会社法に規定する吸収分割契約又は新設分割計画を証する文書に限ります。

第7号文書

第7号文書は、継続的取引の基本となる契約書のことを指します。
印紙税額は、 一律4万円 です。


継続的取引の基本となる契約書
売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託契約書、銀行取引約定書など
契約期間が3か月以内で、かつ、更新の定めのないものは除きます

第7号文書のチェックポイント

第7号文書かどうかを見極めるためには、「継続的取引の基本となる契約書」の定義について理解する必要があります。
具体的には印紙税法施行令第26条第1号で定められていて、次の5つの要件に全て該当する文書は第7号文書と言えます。

  • 1.営業者の間における契約であること

  • 2.売買、売買の委託、運送、運送取扱い又は請負のいずれかの取引に関する契約であること

  • 3.2以上の取引を継続して行うための契約であること
    当該契約期間が3月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものを除く

  • 4.2以上の取引に共通して適用される取引条件のうち目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格のうちの1以上の事項を定める契約であること

  • 5.電気又はガスの供給に関する契約でないこと

>2.売買、売買の委託、運送、運送取扱い又は請負のいずれかの取引に関する契約であること

まず大きなポイントとして、 請負契約であれば7号文書に当てはまる可能性があり、逆に、委任(準委任)契約であれば当てはまらない ということが挙げられます。前述の請負・委任(準委任)の見分け方でどちらに該当するのかチェックをしてみましょう。
続いて契約内容が請負契約の場合ですが、 第2号文書・第7号文書のどちらに該当するのかを見極める必要があります。 国税庁が定めている定義は下記の通りです。

  • 第2号文書 …継続する請負で、契約金額の記載のあるもの
    例)機械保守契約で、月額の保守料金と契約期間の記載のある契約書
  • 第7号文書 …継続する請負で、契約金額の記載のないもの
    例)機械保守契約で、契約期間の記載があるが、月額保守料金を別途、覚書で定めることにしている契約書

つまり、 契約金額が記載されていたり、内容から契約金額が計算できる場合には第2号文書となり、契約金額の記載のないものは第7号文書となります。
前述の通り第2号文書は金額に応じて収入印紙額が異なり、第7号文書は一律4000円となるため、例えば500万円超1,000万円以下の契約を締結する場合には、書面に金額を記載しないようにすれば(7号文書に該当し、)節約となるでしょう。<=>2号文書だと、10,000円かかります。

>3.2以上の取引を継続して行うための契約であること(当該契約期間が3月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものを除く)

続いて「継続的取引」の定義の1つとして、 契約期間が4ヶ月以上であることが挙げられます。
このように契約が長期間に及ぶ場合ですが、例えば3か月以内の契約をその都度締結すると節約になるケースもあるでしょう。
10万円の請負契約を5回締結すると、200円(1万円以上100万円以下の2号文書のため)×5=1000円となり、7号文書の4000円より安価となります。

まとめ

契約書に収入印紙が必要となるケース

いかがでしたでしょうか?
収入印紙が必要になる契約書の要件とその金額は、非常に複雑で、その都度各ポイントに当てはまるのかどうかをチェックする必要があります。判断を誤ると不要なコストを支払ってしまったり、逆に足りずに税務調査で指摘されてしまう可能性もあるため、企業担当の方は慎重に進めるようにしましょう。
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