[知らないと損!?]オンデマンド印刷(デジタル印刷)のデメリットと活用方法!

[知らないと損!?]オンデマンド印刷(デジタル印刷)のデメリットと活用方法!

オンデマンド印刷という言葉はご存知ですか?馴染みがない人もいるかもしれませんが、 この記事ではオンデマンド印刷についての説明と、それと比較されるオフセット印刷についての情報を説明します。気になる価格についてもどのような判断で印刷方式を選定すればいいのか説明します。

  • デメリット: 大量に印刷する場合値段が高くなる。
  • 活用方法: 少数の印刷部数の場合は値段が低いので様々なバリエーションやパーソナライズした印刷物を作成できる。

また、最後にはオンデマンド印刷(デジタル印刷)の可能性を事例を踏まえて掘り下げています。

詳細を見ていきましょう。

オンデマンド印刷とは?改めてデジタル印刷と呼びたい理由

デジタルプリンター

印刷を依頼するときに選択肢として初めてみましたが、

オンデマンドという言葉。これはなんなんだろう?

オンデマンド印刷は下記のように言われることがあります。 この記事では用語の定義を固めるために最初にそれらを説明しておきます。

  • オンデマンドプリント
  • POD(Print On Demand)

「要求に応じてすぐに」という On Demand

短納期で欲しいというユーザーの要望を叶えるためのビジネスモデルを表す用語だが、印刷において広く使われている。

やっていることはデータをコンピューターから送り、デジタル印刷機を用いて印刷を行う。

こういうとなんか特別なことに聞こえますが、みんながPDFなどを印刷するために利用しているプリンターもデジタルで印刷しているのでデジタル印刷機です。

この記事では オンデマンド印刷デジタル印刷 と呼ばせてください。

理由は

みんなが気になるのは

  • 価格
  • 品質

ですよね?

オンデマンドはあくまでもユーザーの要望なので、短納期で作れば全ての印刷方式がオンデマンド印刷ということになってしまいます。

価格と、品質の話をするためには印刷方式の観点で話をした方がいいからです。

比較する印刷方式はオフセット印刷です。

ではデジタル印刷と比較するためにオフセット印刷と比較してみていきましょう。


デジタル印刷とオフセット印刷の違い

版画を作っている男性

ではデジタル印刷とオフセット印刷は何が違うのでしょうか?

それは 版があるかないか ということです。

いや、いきなり があるかとか言われてもっていう気持ちはわかります。 自分も勉強中です。

版画をイメージするとわかりやすいかと思います。 印刷を行う紙以外に、インクを転写をするための板を作成する必要があるのです。

その板がオフセット印刷では必要。デジタル印刷では不要です。(そのためデジタル印刷は無版印刷と呼ばれたりもします。)

版を作るための技術もかなり発展し、版の制作コストは安くなりましたがタダでは作れません。 しかしデジタル印刷では不要なのです!すごい!

印刷するためにはいくつか方式がありますが、それらは 版があるかないか で分けることができ、そこには大きな違いがあります。

デジタル印刷のデメリット

デメリットとしては、デジタル印刷はデジタルデータ(PDFなど)を版なしで印刷可能ですが、実はデメリットがあります。

それは大量に印刷する場合、オフセット印刷の方が安くなります。

オンデマンド印刷とオフセット印刷のコスト比較

画像引用:大和印刷社

上記の図を見ればわかるようにオフセット印刷は1枚作ろうが、10000枚作ろうが版を作る必要があるために、印刷部数が少ない場合は1枚あたりのコストが高くなってしまいます。

しかし、印刷部数が増えるにつれて1枚あたりのコストはオフセット印刷がデジタル印刷よりも安くなっていきます。

オフセット印刷とデジタル印刷のコストの分岐点は印刷するものによって違いますが、印刷部数に応じて、どこで分岐するのか把握しておくことが重要です。

大量印刷の場合はデジタル印刷はコストが割高になる可能性があり、自分が必要としている部数で、それらは変わるので気をつけましょう。

品質に関してはオフセット印刷の方が高いと言われていますが、現在は技術の進歩で品質に関してはほぼ問題のない水準まできています。


デジタル印刷のメリット

メリットは少数の印刷の場合にコストを下げられるという点です。

例えば、本を作るにしても同人誌や自費出版の場合には大量に作成し、高い費用がかかるということがなくなります。非営利な活動の場合など、大量に必要のない時はデジタル印刷が有効になることが多いです。

また、版を作成する必要がないので、印刷物のデザインを変え、実験的に印刷を行うことができます。

印刷というのは大量生産によるコストダウン効果が多い面もあります。 しかし、これからの時代は大量生産・大量消費ではありません。

少部数でコスト面にメリットのあるデジタル印刷は環境にも優しく、たくさんの可能性を秘めています。

デジタル印刷の活用方法

具体的な活用方法としては下記のようなものがあります。

  • 事務印刷(宛名や管理用など)
  • 企業ではなく個人の利用
  • 印刷物のABテスト用に何種類ものデザインを作成する場合
  • パーソナライズした印刷物の作成

それほど部数を必要としない印刷のニーズはたくさんあります。 その時にデジタル印刷は効果を発揮します。

長らく印刷物は個人ではなく大衆に向けてのものでしたが、個人に当てはめたパーソナライズしたマーケティングツールにすることができます。


デジタル印刷の可能性

デジタル印刷の歴史は始まったばかりです。

たくさんの可能性を秘めています。

その中でも私が面白いと感じたものを2つ紹介します。

EspressoBookMachineとAmazon.co.jp POD

書籍を無在庫で一冊ずつ印刷する、デジタル印刷の事例です。とてもインパクトがあり、夢のあるお話です。

Espresso BookMachine

エスプレッソ・ブックマシンはその場で書籍を制作することのできる機械です。

その男心くすぐる見た目、プログラムされた機械が動く様は個人的に最高にクールなのです。 2007年にニューヨーク、2008年にオーストラリア、2010年に三省堂書店の神保町本店に導入されました。

正直あまり一般的になっているという噂は聞かないが、近年の同人誌の盛り上がりや、noteなどだれでも情報を発信可能になったこれからの時代はもっと一般的になる可能性があると思い、注目しています。


Amazon.co.jp プリント・オン・デマンド(POD)

アマゾンジャパンは、書籍の注文に応じて絶版やニッチな書籍を一冊から印刷し製本することのできるサービスを2011年に発表した。

プリントオンデマンドの書籍はこちらから実際に見ることができる。

たくさんの書籍が並ぶがこれらは常に在庫ありという訳です。

これにより売れた分だけ、その都度印刷すればいいのです。自費出版と違い、著者は一円も負担する必要がありません。

誰でも紙の本を発売できる時代になったのです。 データを入稿したらあとは売れるたびにAmazonが決済、製本、発送を行ってくれるためランニングコスト、手間がかからず個人で出版する上では本当に素晴らしい。

これも、Amazonのサービス + デジタル印刷のなせるすごいサービスです。


次世代のマーケティングツール

ダイレクトメール

今までの時代の印刷によるマーケティングでは、広告主の都合を主に考えていました。 このため、「日本最高峰レベルの...」「日本で初めて...」などのような表現をよく目にしました。

このような表現には顧客視点がありません。 今までは顧客視点をあまり考えていない、大衆(マス)に対するマーケティングでした。

これからの時代はマーケティングはネット + リアル が非常になっており、印刷物ならではのフィジカルなタッチポイントとネットでの情報を組み合わせてよりパーソナライズしたマーケテイングが重要となってきます。

それを可能にできるのがデジタル印刷です。

データベースなどで管理している顧客データと印刷物を組み合わせることでこれが可能になってきます。

それらを可能にするのがバリアブル印刷という技術です。 バリアブル印刷は可能性をたくさん秘めています。ちゃんと説明すると、少し長くなりそうなのでまた別の記事で紹介しますが、簡単に説明すると。

バリアブル印刷(VDP: Variable Data Printing)とは、Variable Information Printing(VIP)とも呼ばれ、データに基づいて印刷する内容を変えて印刷を行うこと。版により固定的な内容を印刷する、古典的な印刷概念に対抗する概念である。ダイレクトメールの宛名印刷が典型的なバリアブル印刷である。wiki: バリアブル印刷

となります。身近な例だとMicrosoft OfficeのWordとExcelを差し込み印刷です。差し込み印刷でもバリアブル印刷は可能です。(バーコードの生成や画像の差し替えはできませんが...)

例えば、これを利用することで顧客の名前をダイレクトメールに印刷したりすることができます。 より高度な使い方だと顧客の性別や好みを考慮した画像、顧客のIDを含んだQRコードもダイレクトメールに印刷することができます。

そしてlabelmake.jpは高度なバリアブル印刷が可能なサービスです。

また、オフセット印刷とデジタル印刷を組み合わせ、固定部分の印刷をオフセット印刷で大量に行い、可変部分の印刷をバリアブル印刷で行うことで、コストと顧客視点のマーケティングが可能になります。

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